娘から

 
 北海道にいる末の娘からかにといくらが届いた。毎年年末になにかしら送ってくれる。一番心配させるのもこの子だが、気遣ってくれるのもこの娘。自転車の前かごの中に入れて、どこに行くのも一緒だった娘が一番遠い北海道にいるのもどういう因縁?
 家出したとき自転車の後ろに乗せて連れ帰ったこともあった。この子を永遠に失うのではと恐怖したこともあった。
 手紙の一番最後にお父さんをよろしくとある。父親に対しては複雑な思いがあるだろうが、ともかくもお父さんと呼ぶことをありがたいと思う。と同時にそういう父の子にしてしまった責任の重さも肩にのしかかる。