インパチェンス

子供の頃には見なかった野の草花、タンポポ、ヤナギバルイラソウ、ハゼランマツヨイグサ、もっとあるかも知れないが、思いつくのをあげてみた。


他に、アフリカホウセンカ、これは、名前を聞くだけでも遠くからやってきた花だというのが分かる。子供の頃見ていたほうせんかとは、花の形が全然違う。よくみると、葉の形や、茎の水っぽいところ、花の後ろに一本伸びたヒゲ、実がはぜるところなどは似ている。


以前ベランダで洗濯物を干していて、足もとでバチッと何かが当たったのに驚いて見ると、このアフリカホウセンカの実のさやが弾けて反り返っていた。インパチェンスの名は、ラテン語で我慢できないといった意味があるとか。ちょっと触っただけで弾けてしまう、感じやすい花なのね。


この、インパチェンスの名が、母の口から出てきたときには驚いた。花好きで、いろんな花を育てているので、花の名もよく知っているのだが、まだ、アフリカホウセンカの名しか知らなかったので、えっ、そんな名前があるの?という感じだった。ハナスベリヒユのことも、ポーチュラカと言っていた。多分、私は沖縄植物図鑑で名前を知るのと、母は園芸品種としての名前を知っているのとの違いだと思う。


いまや、いたるところで、この花は見られるようになった。庭先、山裾、川の土手、川の中州に、冬も咲き続け、一年中この花はたえることがない。折とって、水に挿しておくと、根が出て、また元気に花を咲かせてくれる。とにかく繁殖力が旺盛なのだ。花を愛でてるうちに、在来の草花が駆逐されてしまいそうな勢いだ。