キオビエダシャク

社長が「毛虫きらい?」と聞きながらちょっと来てという。好きな人はめったにいないでしょうと思いながら出ていくと、薬の噴霧器をもって中庭のイヌマキのもとへ。「虫がいっぱい出て見るだけで気持ち悪い」「うちもこの前いっぱい出て退治しましたよ」「家にもあるの?去年切っとけばよかった」

去年切ろうとしたらスタッフの一人に、風よけになるからと止められたらしい。経営面では鶴の一声だが、一面言われると押し切れない気の優しいところもある。

キオビエダシャクという蛾の幼虫で、我が家のイヌマキも丸裸になった。紺地に黄色い帯の蛾が時々羽を広げて止まっているのを見ていたが、ネットでイヌマキの害虫を検索して初めてあれが親だったのかと納得した。無数の虫が糸を出して木からぶら下がり、地面に降りたものが犬走りから家の壁を這い上がろうとしているのを見たときは、ううっとのどが詰まり身震いした。アースをかけて動く虫がいなくなるのに3日ほどかかった。木を切ってしまえと思ったが妹が新しい葉っぱが出ているよという。なるほど日に日に息を吹き返し緑がましている。目下、切るかどうか思案中。